Statement

1989年に行われた犬ぞりによる南極大陸犬ぞり横断は、氷点下50℃の地吹雪の中を約6,040km進むという現代でも類を見ない冒険となりました。約7ヶ月にも及ぶ過酷なその挑戦には、6カ国の冒険家たちの地球環境と平和への想いが込められています。
あれから30年以上を経て、私たちは彼らの挑戦を振り返ると共に、地球環境と平和について改めて考え、対話することを目的としたトークイベントを開催しています。様々な分野で活躍する文化人や探求者による「環境」と「平和」、そして「チャレンジスピリット」をテーマとした対談を行うと同時に、南極大陸犬ぞり横断のドキュメンタリー映画「Trans-Antarctica Expedition」を通して、当時のメッセージをより深く理解し、このプロジェクトが現代の私たちにとってこれからを考える契機となることを目指します。より多様な文脈や価値観の基に、次世代へ向かって展開されるTHINK SOUTH FOR THE NEXTに是非ご参加ください。

Whats 
THINK SOUTH?

1989年7月、各国から集まった6人の冒険家が世界初となる南極犬ぞり横断へと出発しました。同年12月11日、南極点到達。1990年3月3日4000マイルを踏破しゴール。言葉や文化の壁を越え、共に過酷な自然と闘った7ヶ月。『THINK SOUTH FOR THE NEXT』は当時、彼らが南極点から世界へ発信したメッセージを基に、現代社会の課題解決に向けて、次世代へ継承していくプロジェクトです。今後さまざまな取り組みを通じて、環境と平和の大切さ、チャレンジスピリットの重要性を社会へと発信していきます。

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Adventurers

アメリカ、イギリス、ソビエト社会主義共和国連邦、
中国、日本、フランスの当時6カ国から集まった
言語も文化も異なる6人の冒険家たち。
隊員それぞれが多様な背景をもって横断に臨みました。

  • Keizo Funatsu

    舟津圭三(日本)

    1956年大阪生まれ。米国で若者や一般社会人への野外教育を実践。1988年グリーンランド犬ぞり縦断後、南極大陸横断国際隊に日本人として唯一参加。 その後は中長距離犬ぞりレーサーとして活躍。 現在は北海道仁木町のNIKI Hillsビレッジにて、ワイナリー、 ガーデン、森のプロジェクトに参画している。

  • Jean-Louis Etienne

    ジャン・ルイ=エチエンヌ(フランス)

    医者という立場から、厳しい環境における人体の医学的問題や心理的な影響に関心を持ち、研究のためにヒマラヤやグリーンランド、パタゴニアへの登山遠征に参加。 科学的、教育的立場から北極・南極への遠征に参加する一方で、地球環境保全という視点でメディアを通じて長年レポートを発信している。

  • Will Steger

    ウィル・スティーガー(US)

    米国の著名極地探検家、教育者。 現在はミネソタ州イーリー郊外の広大な自然の中で「スティーガーウィルダネスセンター」を運営。青少年、教育者等向けに環境教育を実践しながら、 地球温暖化問題の解決に向けて様々な取り組みを行っている。

  • Qin Dahe

    チン・ダホ(中国)

    蘭州大学で雪氷学の博士号取得。その後数ある中国、国際学会のトップを務めてきた。 IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)内のワーキンググループの議長を務め、 アル・ゴア氏とIPCCがノーベル平和賞を受賞した際のメンバーでもある。

  • Geoff Somers

    ジェフ・サマーズ(イギリス)

    世界的名極地研究家であり、1988 年グリーンランド縦断に続き1990年南極大陸横断国際隊に参加。極地ガイドとしては北極点、南極点、北磁極への遠征のガイドとして数多くの遠征を行ってきた。 数々の極地探検と教育への貢献に対して大英帝国の勲章の叙勲を受けている。

  • Victor Boyarsky

    ヴィクター・ボヤルスキー(ロシア)

    ロシア国家地理学会の極地委員会会長、アメリカ地理学会のメンバー。 1998年設立された北極・南極博物館では初代館長就任。 2005年から科学者やツーリストが滞在できるフィールドキャンプ「ボルネオ・アイスキャンプ」を運営。ロシアの極地探検家、水文気象学の専門家として数々の賞を受賞している。

0Days
5,840km

220日間の旅を経て、史上初の犬ぞりによる南極大陸横断は達成されました。距離にして6,040km。
地形や高度、日照時間を読みながら横断の所要日数を算出し、遠征で必要な食糧を横断ルート上に設置。綿密な計画のもと、愛情を持ってトレーニングされた42頭の犬達と6ヵ国6名の隊員達は、飽くなき探究心を抱きながら、歴史的な冒険へと臨みました。

Messages

米ソ冷戦下であり、地球温暖化やオゾン層破壊なども国際的な問題として扱われる最中に行われた本プロジェクトの目的は、地球上で唯一国境をもたない大陸である南極を横断し、環境と平和の重要性を改めて世界へ発信することでした。当時の彼らのメッセージには現代を生きる私たちにとっても、そして次世代の人々にとっても必要な精神が込められています。

南極点からのメッセージ
(1989年12月11日)

我々南極大陸横断国際隊は、きょう南極点に到着しました。そして今、世界がひとつに交わるこの南極点から、世界の人々にこのメッセージを送ります。人はたとえこの困難な状況においても、民族、文化、国家をこえて共に生きてゆける。そして、我々南極大陸横断国際隊の精神が、よりよい世界の構築への一助となることを心から願います。この平和の精神が、子午線のように世界中に広がって、全地球をおおってくれることを祈りながら。

東京宣言
(2019年11月10日)

1989年12月、我々南極大陸横断国際隊は、4,000マイルにおよぶ歴史的な南極大陸横断の中間地点である南極点に到達し、次のメッセージを世界に向けて発信しました。
「我々南極大陸横断国際隊は、きょう南極点に到着しました。そして今、世界がひとつに交わるこの南極点から、世界の人々にこのメッセージを送ります。人はたとえこの困難な状況においても、民族、文化、国家をこえて共に生きてゆける。そして、我々南極大陸横断国際隊の精神が、よりよい世界の構築への一助となることを心から願います。この平和の精神が、子午線のように世界中に広がって、全地球をおおってくれることを祈りながら」
以来、我々6人は、南極大陸の環境の悪化が深刻なスピードで進んでいる事実を目の当たりにし、その危機感をそれぞれの立場で発信してきました。30年前に横断したルートの最初の200マイルの大部分の氷は崩落し、海と化しています。我々と同じ横断ルートでの挑戦は、今では不可能となっています。南極点に共に立ってから30年、南極大陸と世界の橋渡し役として、この現状を世界にアピールしようと、南極大陸横断国際隊は、ここに再び集結しました。地球全体の環境に大きな影響を及ぼす極地の氷や海を守るため、今すぐこの現状に目を向け、直ちに行動を起こす時が来ています。
我々は、日本で迎えた30周年という記念すべきセレブレーションを「THINK SOUTH FOR THE NEXT」と名付けました。この先30年、既存のエネルギー源の使用を最少限に抑え、将来必要になるエネルギーを、新しいテクノロジーで創り出すことを、次世代に託します。危機感を抱く若者を応援・激励するとともに、人類の未来を担う彼らに感謝したいです。我々は今日、1997年に採択された京都議定書の重要性をあらためて確認し、2017年のパリ協定を強い意志をもって支持することを表明します。あらゆる手段で二酸化炭素排出の大幅削減を実現するため、世界各国の市民ひとりひとりが方策と独創性を注いで取り組むよう切望します。
状況は切迫しており、大変困難な挑戦ではありますが、まだ道は閉ざされていません。今こそ我々は勇気を持ってその道を進まなければなりません。ひとりひとりが重要な役目を負い、大きな影響力を持っています。誰であろうと、どこに住んでいようと、何をしていようと、みんなで力を合わせれば世界を救うことができるのです。

南極大陸横断国際隊 一同

About Us

「THINK SOUTH」は日本を代表する冒険家の舟津圭三氏をはじめとする世界6ヶ国で編成された国際隊が、1989年に環境と平和の重要性を訴える目的で世界初となる南極犬ぞり横断へと出発し、初の南極大陸横断に挑んだ際の合言葉でありメッセージ。
彼らは12月11日の南極点到達を経て、1990年3月3日に約6,040kmを踏破し、無事全員がゴール。「THINK SOUTH FOR THE NEXT」は当時彼らが考え、南極点から世界に発信した現代社会の問題に改めて注目し、環境と平和の大切さ、チャレンジスピリットの重要性を次世代へ継承していこうというプロジェクトです。主催:THINK SOUTH FOR THE NEXT実行委員会(株式会社ゴールドウイン、株式会社DACホールディングス)

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南極大陸横断隊のメッセージを改めて現代の人々へ向けて発信する為にはじまった、2019年からの過去の取り組みを一覧いただけます。当時の隊員が一堂に会したシンポジウムから、文化人や冒険家によるトークイベントまで、多様なコンテンツを是非ご覧ください。

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